花粉飛散予測(第5報) 花粉シーズン折り返しへ ヒノキ花粉がまもなくピークに
スギ・ヒノキ花粉のピーク時期
3月は、たびたび寒の戻りがあったことから、スギ花粉のピークは例年より5~10日ほど遅れた所が多くなりました。福岡と広島のスギ花粉のピークは3月中旬に終了し、この先は3月末までに多くの所でピークを終えるでしょう。
一方、ヒノキ花粉は、九州各地と四国から関東甲信の一部で飛散開始となり、飛散量は増加中です(3月24日現在)。3月下旬はこれまで暖かい日が続いたことから、四国から関東甲信の多くの所で3月末までに飛散開始が確認される見込みです。4月上旬は広い範囲でヒノキ花粉のピークとなるでしょう。ピークの期間は、5日間から2週間ほどの見込みです。仙台はヒノキ花粉の飛散量は少なく、はっきりしたピークは現れないでしょう。
4月半ば以降は、花粉の飛散は次第に終息に向かいますが、大型連休ごろまでは例年同様、花粉の飛ぶ所がある見込みです。風が強く吹く日などは、飛散量が多くなることもあります。ピークを過ぎてもしばらくは、花粉情報や気象情報を確認して、引き続き花粉対策を行いましょう。
東京都千代田区のスギ、ヒノキ花粉の飛散状況(日本気象協会観測)
上の図は、東京都千代田区で1/cm2に観測された花粉の数を累計し、シーズン総飛散量の何割に達したかを示したグラフです。過去3年(2024年、2023年、2022年)と比較して示しています。今年(橙色)は、2024年(濃い緑色)や2023年(緑色)と比べると累計飛散量の増加するペースは遅くなっています。2月が低温だった2022年(薄い緑色)と似たようなペースで3月上旬まで経過しましたが、中旬はまとまった雨や雪の降った日があったことから飛散量は抑えられ2022年よりもペースは遅くなっています。
日本気象協会の予測では東京都千代田区の今年の総飛散量は例年よりやや多い6000個/cm2で、3月18日までの累計では総飛散量(予測)の20%が観測されています。3月下旬は、晴れて暖かく、花粉が大量に飛散しやすい日が続いているため累計飛散量は一気に増加し、3月末までには50%に達すると予想します。ようやく半分が飛び終わり、花粉シーズンは折り返し地点に到達するといえそうです。
一方、ヒノキ花粉は、わずかな量が飛び始めています(3月18日現在)。3月末までには飛散開始となり、飛散量が急速に増えるでしょう。4月になるとスギ花粉は次第に減少するものの、ヒノキ花粉中心に累計飛散量はさらに増加する見込みです。4月半ばには、ようやくスギ、ヒノキ花粉の飛散は終息に向かいますが、5月はじめごろまでは花粉が観測される日がありそうです。
2025年 スギ花粉の飛散開始日(日本気象協会観測)
シラカバ花粉の飛散開始時期(北海道)
用語の説明
九州から東北はスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉です。
【飛散時期に関する言葉の説明】
飛散開始日:1 cm2あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した最初の日
ピーク開始(終了)日:
スギ花粉は1 cm2あたり50個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
ヒノキ花粉は1 cm2あたり30個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :例年 (前シーズン) の200%以上
多い :例年 (前シーズン) の150%以上200%未満
やや多い :例年 (前シーズン) の110%以上150%未満
例年(前シーズン)並 :例年 (前シーズン) の90%以上110%未満
やや少ない :例年 (前シーズン) の70%以上90%未満
少ない :例年 (前シーズン) の50%以上70%未満
非常に少ない :例年 (前シーズン) の50%未満
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例年 :過去10年(2015~2024年)の平均値
前シーズン :2024年シーズンの飛散量
【気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値