まもなく花粉飛散 例年の2倍以上も 早めの対策を 日本気象協会 春の花粉飛散予測
2025年 スギ花粉の飛散開始時期
協力機関からの観測情報によると、東海では早くも1月上旬に飛散開始が確認された所があります。また、東京都保険医療局「東京都アレルギー情報navi.」のデータによりますと、東京都内でもわずかながらスギ花粉の飛んでいる所があります。1月中の飛散量は少ないですが、2月には本格的な飛散となるでしょう。
スギの雄花は、初冬の冷え込みが厳しいと休眠打破が順調に進み、休眠から目覚めた後は、暖かいほど開花が早くなる傾向があります。今シーズンの冬は12月から1月半ばにかけて寒気の影響を受ける日が多くなりましたが、この先2月にかけての気温は平年並みか高く推移する見通しです。3月の気温は平年より高いでしょう。
スギの雄花の休眠打破はおおむね順調に進み、休眠から目覚めた後は、寒さの和らぐ日が現れると順調に開花すると予想します。スギ花粉が飛散開始する時期は、多くの所で例年並みですが、東海と東北は例年並みか早いでしょう。
スギ花粉は、飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めます。花粉症の方は、早めに花粉対策を始めるとよいでしょう。
スギ・ヒノキ花粉のピーク時期
また、ヒノキの花粉のピークはおおむね3月下旬から4月上旬になるでしょう。3月の気温が高めに推移することから、ヒノキのピークは例年より早い予想で、期間は5日から2週間ほど続く見込みです。仙台はヒノキの飛散量は少なく、はっきりしたピークは現れないでしょう。
強い風が吹く日や、急に暖かくなる日には、花粉の飛散が極めて多くなり、1平方センチメートルあたり100個以上観測される日がありそうです。花粉情報や気象情報を確認して、万全な対策を心がけましょう。
2025年 春の花粉飛散量予測<例年比>
2025年 春の花粉飛散量予測<前シーズン比>
九州から近畿などでは前シーズン(2024年)と比べると、飛散量が大幅に増加する見込みです。
花粉飛散量予測の根拠
また、日本気象協会がおこなった花芽調査では、スギ雄花の花芽の量は、四国、近畿、東海で、例年より多い傾向であることが確認されています。また、植物や森林の研究者と開催する研究会では、関東でも例年と同じくらいか例年より多いことが報告されています。一方、環境省が2024年12月に発表したスギ雄花花芽調査の結果によると、東北地方は例年より少ないとされています。
これらのことから2025年春の花粉飛散量は、例年に比べて、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、非常に多い所もあるでしょう。東北北部は2024年春の飛散量が非常に多かったことと、夏に日照時間が少ない時期があったことが影響し、例年より少ない見込みです。前シーズン(2024年)に比べると、九州から近畿は非常に多く、北陸・関東甲信と東北南部も多い傾向です。東海は前シーズン並み、東北北部と北海道は少ないでしょう。
今回発表する花粉飛散量の予測は、2024年12月5日(木)に発表した「日本気象協会 2025年春の花粉飛散予測(第2報)」の内容を、環境省が発表したスギ雄花花芽調査の結果などを考慮して更新しています。中国・北陸・東北の予測を一部修正しました。
用語の説明
九州から東北はスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉の飛散量を表します。
【飛散時期に関する言葉の説明】
飛散開始日 :1cm2 あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した最初の日
ピーク開始(終了)日:
スギ花粉は1cm2あたり50個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
ヒノキ花粉は1cm2あたり30個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い :例年 (前シーズン) の200%以上
多い :例年 (前シーズン) の150%以上200%未満
やや多い :例年 (前シーズン) の110%以上150%未満
例年(前シーズン)並 :例年 (前シーズン) の90%以上110%未満
やや少ない :例年 (前シーズン) の70%以上90%未満
少ない :例年 (前シーズン) の50%以上70%未満
非常に少ない :例年 (前シーズン) の50%未満
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例年 :過去10年(2015~2024年)の平均値
前シーズン :2024年シーズンの飛散量
【気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値