エルニーニョ監視速報 冬の半ばにかけてエルニーニョ続く 日本のこの冬は暖冬傾向か
8月の実況
エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の6月の値は+1.4℃となりました。太平洋赤道域の海面水温は中部から東部を中心に平年より高くなりました。海洋表層の水温は太平洋赤道域の中部から東部を中心に平年より高くなりました。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年よりやや活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱くなりました。
このような太平洋赤道域の状態は、海洋はエルニーニョ現象の状態となっており、大気にもエルニーニョ現象時の特徴が現れつつあることを示しています。
以上から、春からエルニーニョ現象が続いているとみられます。
今後の見通し
以上のことから、今後、冬の半ばにかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)なっています。
西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況
8月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値でした。今後、冬にかけて基準値より低い値か基準値に近い値で推移すると予測されます。
【インド洋熱帯域】
8月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値でした。今後、秋は基準値に近い値で、冬は基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測されます。
エルニーニョ現象とは
ただ、何らかの原因で東風が弱まると、西側の暖かい海水が東側へ広がるとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが弱まり、南米沖の海面水温が通常より高くなります。このように、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象を「エルニーニョ現象」と呼びます。
「エルニーニョ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になります。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってくるのです。「エルニーニョ現象」発生時の日本は、暖冬になりやすいと言われています。
この先も平年より気温高い 冬も高温続く可能性
最新の3か月(10~12月)予報と、寒候期(12~2月)予報は、9月19日に発表です。