世界の主要な温室効果ガス濃度 観測史上最高を更新
25日の気象庁の発表によると、大気中の主要な温室効果ガスの増加が続いており、2020年の世界平均濃度はいずれも観測史上最高を更新しました。
世界の主要な温室効果ガス濃度 増加続く 観測史上最高を更新
25日の気象庁の発表によると、気象庁が運営を担う、世界気象機関(WMO)の温室効果ガス世界資料センター(World Data Centre for Greenhouse Gases: WDCGG)の解析で、大気中の主要な温室効果ガス(二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素)の増加が続いており、2020年の世界平均濃度はいずれも観測史上最高を更新しました。2019年から2020年までの濃度の増加量は、二酸化炭素は過去10年間平均と同程度の2.5 ppmで、メタンは過去10年間平均より大きい11 ppbとなりました。
WMO全球大気監視(GAW)計画から得られた観測成果の最新の解析によると、2020年の二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)の現場観測ネットワークによる地上での世界平均濃度は、それぞれ、413.2±0.2 ppm、1889±2 ppb、333.2±0.1 ppbとなり、解析開始以来の最高値を更新しました。これらの値は、工業化以前(1750年以前)の、それぞれ149%、262%、123%です。
化石燃料起源の排出量減少にかかわらず 二酸化炭素の濃度は増加に
二酸化炭素の2019年から2020年までの濃度増加量は、2018年から2019年までの増加量よりわずかに小さく、最近10年間の平均年増加量よりわずかに大きくなりました。これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に関連する規制により、2020年に化石燃料起源の排出量が約5.6%減少したにもかかわらずです。メタンの2019年から2020年までの濃度増加量は、2018年から2019年までの増加量より大きく、最近10年間の平均年増加量より大きくなりました。一酸化二窒素の2019年から2020年までの濃度増加量は、2018年から2019年までの増加量より大きく、最近10年間の平均年増加量より大きくなりました。米国海洋大気庁(NOAA)年次温室効果ガス指標(AGGI)によると、1990年から2020年までに、長寿命の温室効果ガス(LLGHG)による放射強制力は47%増加しており、二酸化炭素がそのうちの約80%を占めているとのことです。