2020年冬 記録的な暖冬の要因は
天候の状況
今冬の天候をもたらした要因
🔲大気上層を流れる偏西風が日本付近で北に蛇行し続けました。この偏西風(亜熱帯ジェット気流)の蛇行の一因として、熱帯域の積雲対流活動がインドネシア付近で不活発だったため、中国南部付近で亜熱帯ジェット気流が南に蛇行したことが影響したと考えられます。
🔲1月以降、正の北極振動が卓越し、ユーラシア大陸北部では寒帯前線ジェット気流が明瞭化するとともに、ヨーロッパからシベリア東部にかけての広い範囲で寒気の蓄積が弱まりました。この影響で、日本付近への寒気の流入が弱かったものと考えられます。
🔲偏西風の蛇行や正の北極振動による影響に加えて、地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向が続いていること、さらに北半球中緯度域で全体的に対流圏の気温が著しく高かったことも、今回の記録的な暖冬の背景にあったと考えられます。