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    2025年 春の花粉飛散予測(第3報)
    ~まもなく花粉シーズンスタート 飛散量は四国・近畿で例年の2倍以上の所も~

    ◆2025年 春の花粉飛散予測のポイント
    ・2月上旬に九州から関東の一部で飛散開始、1月のうちから早めの対策を
    ・スギ花粉のピークは早い所で2月下旬から、ヒノキ花粉は3月中旬から4月上旬
    ・飛散量は、広い範囲で例年より多く、四国・近畿は例年の2倍以上の所も

    2025年 スギ花粉の飛散開始時期

    2025年 スギ花粉の飛散開始時期

     スギ花粉は2月上旬に九州から関東の一部で飛散開始となる見込みです。2月中旬には関東以西の広い範囲で、2月下旬には北陸と東北南部でスギ花粉シーズンを迎えるでしょう。東北北部は3月上旬から中旬に飛散開始となる見込みです。ほぼ例年並みのスタートですが、東海と東北では例年並みか早い予想です。
    協力機関からの観測情報によると、東海では早くも1月上旬に飛散開始が確認された所があります。1月中の飛散量は少ないですが、2月には本格的な飛散となるでしょう。

     スギの雄花は、初冬の冷え込みが厳しいと休眠打破が順調に進み、休眠から目覚めた後は、暖かいほど開花が早くなる傾向があります。今シーズンの冬は12月から1月半ばにかけて寒気の影響を受ける日が多くなりましたが、この先2月にかけての気温は平年並みか高く推移する見通しです。3月の気温は平年より高いでしょう。スギの雄花の休眠打破はおおむね順調に進み、休眠から目覚めた後は、寒さの和らぐ日が現れると順調に開花すると予想します。スギ花粉が飛散開始する時期は、多くの所で例年並みですが、東海と東北は例年並みか早いでしょう。

    スギ花粉は、飛散開始と認められる前からわずかな量が飛び始めます。花粉症の方は、早めに花粉対策を始めるとよいでしょう。

    スギ・ヒノキ花粉のピーク時期

    スギ・ヒノキ花粉のピーク時期

     スギ花粉が非常に多く飛ぶピークの時期は、福岡・高松・東京で2月下旬からの見込みです。3月上旬から中旬には、広島、大阪、名古屋、金沢、仙台など広い範囲でピークとなるでしょう。各地とも、おおむね例年並みの時期で、ピークの期間は10日から1か月ほど続く見込みです。また、ヒノキの花粉のピークはおおむね3月下旬から4月上旬になるでしょう。3月の気温が高めに推移することから、ヒノキのピークは例年より早い予想で、期間は5日から2週間ほど続く見込みです。仙台はヒノキの飛散量は少なく、はっきりしたピークは現れないでしょう。

    強い風が吹く日や、急に暖かくなる日には、花粉の飛散が極めて多くなり、1平方センチメートルあたり100個以上観測される日がありそうです。花粉情報や気象情報を確認して、万全な対策を心がけましょう。

    2025年 都道府県別の花粉飛散傾向<前シーズン比>

    2025年 都道府県別の花粉飛散傾向<前シーズン比>

     2025年春の花粉飛散量は、前シーズン(2024年)と比べると、九州から近畿では非常に多く、北陸・関東甲信と東北南部も多い傾向です。東海は前シーズン並み、東北北部と北海道は少ないでしょう。九州から近畿などでは前シーズン(2024年)と比べると、飛散量が大幅に増加する見込みです。

    2025年 都道府県別の花粉飛散傾向<例年比>

    2025年 都道府県別の花粉飛散傾向<例年比>

    2025年春の花粉飛散量は、例年(過去10年の平均)に比べると、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、四国・近畿は非常に多い所もあるでしょう。東北北部は例年より少ない見込みです。

    2025年 地域別の花粉飛散傾向予想とその根拠

    2025年 地域別の花粉飛散傾向予想とその根拠

     2024年の夏は猛暑となり、花芽の形成に好条件な「高温・多照」という気象条件が九州から北海道にかけて揃いました。一方、花粉の飛散量は、前年春の飛散量が少ないと増え、多いと減少する傾向があります。2024年春は花粉の飛散量が抑えられた地域が多かったことから、2025年春は2024年に比べ飛散量が増加する地域が多いと考えられます。
    また、日本気象協会がおこなった花芽調査では、スギ雄花の花芽の量は、四国、近畿、東海で、例年より多い傾向であることが確認されています。また、植物や森林の研究者と開催する研究会では、関東でも例年と同じくらいか例年より多いことが報告されています。一方、環境省が2024年12月に発表したスギ雄花花芽調査の結果によると、東北地方は例年より少ないとされています。

    これらのことから2025年春の花粉飛散量は、例年に比べて、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、非常に多い所もあるでしょう。東北北部は2024年春の飛散量が非常に多かったことと、夏に日照時間が少ない時期があったことが影響し、例年より少ない見込みです。前シーズン(2024年)に比べると、九州から近畿は非常に多く、北陸・関東甲信と東北南部も多い傾向です。東海は前シーズン並み、東北北部と北海道は少ないでしょう。

    今回発表する花粉飛散量の予測は、2024年12月5日(木)に発表した「日本気象協会2025年 春の花粉飛散予測(第2報)」の内容を、環境省が発表したスギ雄花花芽調査の結果などを考慮して更新しています。中国・北陸・東北の予測を一部修正しました。

    【花粉の種類について】
     九州から東北はスギ・ヒノキ、北海道はシラカバ花粉の飛散量を表します。

    【飛散時期に関する言葉の説明】
    飛散開始日 : 1 cm2あたり1個以上の花粉を2日連続して観測した最初の日
    ピーク開始(終了)日
     : スギ花粉は1 cm2あたり50個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日
     : ヒノキ花粉は1 cm2あたり30個以上の花粉を2日連続して観測した最初(最後)の日

    【飛散量に関する言葉の説明】
    非常に多い     :例年 (前シーズン) の200%以上
    多い        :例年 (前シーズン) の150%以上200%未満
    やや多い      :例年 (前シーズン) の110%以上150%未満
    例年(前シーズン)並 :例年 (前シーズン) の 90%以上 110%未満
    やや少ない :例年 (前シーズン) の 70%以上 90%未満
    少ない :例年 (前シーズン) の 50%以上 70%未満
    非常に少ない :例年 (前シーズン) の 50%未満
    -----------------------------------------------------------
    例年 :過去10年(2015~2024年)の平均値
    前シーズン  :2024年シーズンの飛散量

    【気象に関する言葉の説明】
    平年 :1991~2020年の平均値

    ◆日本気象協会の花粉飛散予測

     日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は、前シーズンの花粉飛散結果や気象観測値などの気象データ、および花芽の現地調査の結果などをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報をふまえて予測しています。

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